松本人志の身体性
子供の頃からファンです。現在40代の方はダウンタウン全盛時代を見てきてますよね。
90年代の彼らの活躍は凄まじかったです。彼らのことを語り出したら止まりませんが、それはいくらでも他の人が話していますよね。
今回私が書きたかったのはダウンタウン松本の天才性についてです。
90年代から00年代の彼は本当に天才だと思わされました。トークやコントでの発想、センス、組立方、演技力、タイミング、全てを笑いに変える能力、見ている人を異次元の笑いに連れていきました。
常人と明らかに違う彼の天才性はどこからきているのか。
私が思うに彼の天才性は身体性に由来しています。
芸人の中でも飛び抜けて身体性が高いのです。
いまここで話している身体性とは身体意識のことです。
通常最も身体意識が高くなりやすいのはスポーツ選手など身体を直接動かす人達ですが、ダウンタウン松本の身体意識は当時の並のスポーツ選手をはるかに越えていたと思います。
彼の身体意識で発達していたのは身体の軸であるセンターと東洋で肚といわれる下腹部の下丹田です。
それを中心に頭や胸の意識や人と自分をつなぐ意識なども発達したのだと思います。
この身体意識に関しては普通の人は無意識に感じているものなので、話が分かる人と分からない人で真っ二つに分かれますね。
というかほとんどの人は訳が分からないのかもしれません。
ただ90年代のダウンタウン松本にセンターや丹田の意識が発達していたというのは事実です。
見る人が見れば分かったはずです。
その優れた身体性から彼はオリジナリティ高い世界観を作り出し、生々しくも面白い、狂喜を伴った笑いを作り出せたのだと考察します。
それと比較して今のダウンタウン松本はどうでしょう。
今も面白いコメディアンです。
ただ90年代のような異次元の面白さはあまりないように感じます。
それは彼の身体性がとても衰えてしまったからです。
明確に身体性が衰えたのは彼がウェイトトレーニングを始めてからです。
優れた身体性というのはウェイトトレーニングで簡単に壊れてしまうものなのです。
家族を守れるように筋トレを始めたらしいですが、よくない方法で身体を鍛えることによって逆に優れた身体性を失くすというのは皮肉です。
例えばイチローのような初動負荷理論に基づいたマシンのトレーニングなら身体性は向上するのですが普通のマシントレーニングでは固い筋肉がつきやすく身体性自体は低下しやすいです。
彼が早くそれに気づいて元の身体性に近いものを取り戻してくれたらと思いますがその可能性は低い気もします。
それだけ優れた身体性というのは失うのは簡単で身につけることが難しいものなのです。
それでも芸能界の第一線に居続けられるのだから凄いのでしょうけどね。
今のまっちゃんも面白いのですが、以前の腹の底から笑わせてくれる天才松本は稀有の存在だったのですね。